グリーンレーザーポインター

レーザーポインター

赤色のレーザーに緑色のフィルムを通せば緑になると思う人もいるかもしれませんが、元々が赤色の単波長の光の為、赤は赤のままで透過(若しくは反射や吸収など)されてしまうので、出てくる色は赤から変わりません。


普通のライトに緑色のフィルムを通せば、確かに緑の光はフィルタリングされて出てきますが、元々空間的にコヒーレントな光では無いので、レーザーポインターの様に真っ直ぐの光にはなりません。

 

グリーンだけの真っ直ぐな光、それがグリーンレーザーなのです!
 
 

”グリーンレーザーは何故高いのか?”を理解する為に、先ず簡単な赤色のレーザーポインターの構成を説明します。



①がプリント基板で、1mW以下で安定して出力が出るように電気的な保護回路が搭載されています。
②は650nmの半導体レーザーとレンズが入っていて、半導体レーザーから出てきたビームを平行光に矯正しているだけです。

全体的に①+②+電池+筺体と言うシンプルな構成です。

次に緑色のレーザーポインターの構成を見てみましょう。


赤色と比べるとかなり複雑になっているのがわかるかと思います。
何故複雑になるかと言うと、汎用品で緑色の波長が出る半導体レーザーが無いからなのです!
その為、②から出てきた赤の波長を、③の結晶で更に長い波長(1,064nm)へ変換し、④の結晶で半分の波長へと二段階で変換させ、ようやく緑色の波長のレーザーが出てくるのです。
しかも二つの非線形結晶により光学的に変換しなければならないのと、赤外の波長を使用するので熱の発生があり大変不安定になり、そのままだと最終的な緑の波長の出力は大きくふらついてしまい、激しくチラチラと見えてしまうのです。

この出力のふらつきを抑える為に⑤、⑥などで出力を感知させ、①の電気回路にフィードバックさせ出力を電気的に制御させたりするのです。

メーカー毎の光学的+電気的なノウハウがあり、各社パテントによりプロテクトし合っています。
 
これらは一般的に目にする仕様からだけだと読み取る事は出来ません。(敢えて出していないのでしょう)
 
しかし構造の違いによって、同じグリーンレーザーであっても品質が全く異なると言う事実は選定の際に注意しなければなりません。